姫君を喜ばせた雅な輝き、一の坂川のほたるの乱舞

自然が豊かな山口県。初夏の訪れとともにほたるが姿を見せはじめます。
山口県内ではあちらこちらのせせらぎで、ほたるの舞う姿を見ることができますが、ビジネスホテル喜良久のある山口市では、一の坂川がほたる観賞のスポットとして知られています。

山口を流れる一の坂川は、水の流れが穏やかな規模の小さい川ですが、川岸には四季折々に花が咲き乱れる風情のある川です。
時の周防・長門の守護の大内弘世は、この一の坂川を京の鴨川にみたてました。
京を訪れた際に高い文化や情緒にふれて感銘を受けた弘世は、京都の地形によく似た盆地のある山口に政庁を移し、京に似せた街づくりを行いました。街の名前も京風に変え、山口が西の京と呼ばれるまでに発展する基盤を築きました。

弘世は京から公家の姫君を妻に迎えましたが、姫君は都を恋しがってやみません。そのため宇治からゲンジボタルを取り寄せて一の坂川に放し、妻の心を慰めました。その時に放したほたるが住みつき、今に伝わるといわれています。

一の坂川は市街地にあり、すぐそばの道を多くの人や車が行きかうなど、この時代の中でほたるが育つには恵まれた環境とは言えません。
ですが、ボランティアの方々の尽力によって、一の坂川のほたるは毎年変わらぬ輝きで人々を楽しませてくれています。今では国の天然記念物に指定され、初夏の風物詩となっています。

一の坂川界隈では、例年「ほたる観賞Week!」と題してほたる祭りが実施され、期間中は様々なイベントが開催されます。
今年は5月28日から6月3日までとなりますが、5月27日と28日は、湯田温泉ご宿泊のお客様限定でナイト観光バスをご案内しております。詳細はフロントまでお尋ねくださいませ。
南北朝時代から今に伝わる雅な光を、どうぞ心ゆくまでご鑑賞ください。

一の坂川「ほたる観賞Week!」情報
https://yamaguchi-city.jp/event/a_area/1386.html