木草弥生い茂る(きくさいや おいしげる)弥生3月

3月に入り、ホテル喜良久のある山口市でも、吹く風の中にぬくもりが感じられる今日この頃です。

旧暦では各月それぞれに「皐月」「如月」など、 行事や季節感に合わせてつけられた 和風月名という呼び名がありますが、3月は「弥生」。
「弥生」は木草弥生い茂るという言葉が短く詰まったことが由来とか。

童謡さくらさくらで「さくら、さくら、弥生の空はー」と唄われ、「弥生」には桜のイメージがあるかもしれません。
実は旧暦で定められた和風月名の季節感は、現代の暦とひと月程度ずれがあります。弥生は現代の4月に当てはまる和風月名なのです。

明治時代、1年が354日で不便の多い旧暦から1年365日の新暦に変更されました。その際、季節感がひと月ずれることに構わずに、年中行事の日付はそのままとされました。
旧暦3月3日は新暦の4月、旧暦5月5日は6月にあたります。

 桃の花の開花時期は例年3月半ばを過ぎてからなので、現代のひな祭りは正確には桃の節句とはいえないのかもしれません

全国各地には、いまだに旧暦で行事が行われるところがあります。
6月に鯉のぼりが泳ぐ地域があれば、8月に七夕まつりを行う地域もあります。
山口県萩市では、「萩城下の古き雛たち」が開催中ですが、萩ではひな祭りを旧暦で祝う風習があるため、展示は毎年4月3日まで行われます。
代々受け継がれてきた気品あふれるお雛様。
桃の花の香りが漂うこの時節に飾られて、お雛様も嬉しそうです。

「萩城下の古き雛たち」
https://www.hagishi.com/hina/