西のお伊勢さん「山口大神宮」

山口市内にある山口県庁や山口県警本部などの近代的な建物の近くで、ひっそりとたたずむ「山口大神宮」。
山口大神宮は、永正17年(1520年)に時の大名である大内義興が、伊勢から神霊を勧請して創建した古社です。義興が伊勢神宮に参拝した際に、その荘厳な神霊にうたれこの地を神域に選定し社殿を造営したといわれています。

社殿は内宮と外宮があります。
内宮は天照大神、外宮は豊受大神が祭神で、社殿は伊勢神宮と同じ形式の神明造りで建てられています。
参道の石段を登り、木立に囲まれた立派なお社が見えてくると同時に、神聖な気配がひしひしと漂ってきます。

境内にはほかに高嶺稲荷神社と多賀神社が祀られています。
高嶺稲荷神社は山口大神宮の末社で、農産物の守護、商売繁昌、三難(火災・盗難・病気)消除の神として、古くから信仰を集めています。

多賀神社は滋賀の多賀大社の御分霊を勧請した古社で、延命長寿の神様と称えられています。拝殿に置かれた太鼓をたたいてご利益を祈願します。拝殿脇の安産石を撫でると、延命長寿・病気平癒・安産延寿のご利益をいただけるそうです。
社務所では、山口大神宮と多賀神社の両方の御朱印をいただくことができます。

伊勢信仰が盛んだった江戸時代には、九州や西国の各地から西のお伊勢さん参拝に大勢の人が押し寄せていたという山口大神宮。
その頃の賑わいは遠いものとなりましたが、毎年の初詣には大勢の参拝客が訪れます。
歴史ある社殿も一見の価値があり、観光スポットとしてもおすすめです。

山口大神宮
http://www.yamaguchi-daijingu.or.jp/