夏越の大祓式「茅の輪くぐり」

気づけば、今年も半年が過ぎ去ろうとしています。
6月末日には多くの神社で夏越の大祓式が行われます。
夏越の大祓式は、1年の上半期を締めくくり、心身を祓い清め清々しい姿に立ち返ろうとする伝統行事で、茅や藁で出来た輪をくぐる「茅の輪くぐり」という神事で知られています。
神社によって多少しきたりがことなりますが、一般的にはこの茅の輪を「水無月の夏越の祓する人は千歳の命のぶというなり」と唱えながらくぐることによって半年の間に溜まった穢れを祓い、残りの半年の健康と無病息災や安全を願います。

茅の輪くぐりの由来となる伝説があります。
神(スサノオノミコト)が旅の途中、道に迷ってしまった時のこと、二人の兄弟に一夜の宿を頼みました。
金持ちの弟はこれを断り、貧しい兄(蘇民将来)は喜んで家に招き、できうる限りのもてなしをしました。
神は感謝して、蘇民将来に「茅の輪」のお守りを授けました。
村に疫病が流行って皆が死に絶えてしまったのに、蘇民将来一家だけが無事でした。
それ以来、茅の輪によって疫病退散、無病患災になると云われています。

この半年、新型コロナウィルスによって人々の生活や社会に大きな不安と混乱がもたらされました。
この夏越の大祓いがすべての災厄の収束のきっかけとなり、平和で安全な世の中になるようにと心から祈るばかりです。

山口県内も各地の神社で夏越の大祓式があり、例年は一般参拝者も参加できる祭事となっていますが、今年は新型コロナウィルス感染予防のため神社によっては取り組みが変更されている場合があります。
ご参詣される場合はご注意ください。