心のオアシス「一の坂川」

ビジネスホテル喜良久のある山口県山口市は、室町時代に大内氏が京都を参考に手掛けた街づくりにより、市内のそこここに趣深い景色を楽しむことができます。
市街を流れる一の坂川を京都の鴨川に見立てて街割りをした名残りは、今でも川岸の町並みに感じられます。

四季を通じて楽しめる一の坂川。
桜を筆頭に四季折々に両岸を彩る花々も見事ですが、緑の季節に草を揺らしながら通り過ぎる風の爽やかさや、雨や積雪の日のしっとりとした風情にも心を奪われます。
両側の道には古くからある喫茶店や飲食店に加え、雑貨店やおしゃれなカフェもあります。
派手さもなく何気ない小さな川ですが、山口市民のオアシスであることは間違いありません。

この一の坂川には、古くから天然記念物のゲンジボタルが生息しています。
市内の中心部を流れる川の宿命として、時代の流れとともに一時期は消滅しかけたゲンジボタルですが、「ホタル護岸工法」による改修と地元の人々の河川美化・愛護運動などの奉仕活動によって、今では毎年5月末から6月上旬にかけてたくさんのほたるたちが美しい乱舞を見せてくれます。
市街地にあり川の両岸をたくさんの人や車が往来するような環境にありながらも、これほどのゲンジボタルが生息している河川は珍しいのではないでしょうか。

一の坂川では、今年も5月29日から6月4日までの間は「ほたる観賞Week!」とされ、この時季が最もほたるが飛び交うといわれています。
初夏の夜に舞う幻想的なほたるの輝きは、心の疲れを癒してくれることでしょう。

川のせせらぎに耳を傾けながら、ゆったりとお楽しみくださいませ。

写真:「西の京やまぐち」より